近年は、小規模のオフショア開発が運用しやすくなったことにより、小規模のスタートアップ企業もオフショア開発を取り入れることも多くなってきました。
- 費用が安い
- エンジニア雇用の心配がいらない
このように費用が潤沢ではないスタートアップにとって、オフショア開発は開発に関する課題を解決するには非常に良い手段です。
特にベトナムは、国内情勢の安定、物価、親日と言った魅力的な部分が多く人気です。
メリットの多いオフショア開発ですが、スタートアップ企業の開発をオフショア開発に依存してしまうことは果たして良いことでしょうか?
ウェブやスマホアプリをプロダクトとして提供しているスタートアップ企業にとって、開発とは企業の競争力に直結します。
企業として競争力をつけて行くには、オフショア開発だけでなく、企業内で開発力を高めて行く必要があります。
そのためには、どのような状況でオフショア開発を行い、どのような状況から企業内で開発することが良いのか知ることが大切です。
この記事ではシード期スタートアップのオフショア開発の活用方法と次のラウンドに向けたプロダクト内製の準備について説明していきます。
目次
開発の全体像
企業内で開発するのか、オフショアで開発するのか。極端な方法で解説できるほど開発はシンプルではありませんので、まずは開発の全体像と内容について説明していきます。
ビジネス層
要件定義など何を開発するかを決める層です。主に発注者や企業責任者など
マネジメント層
ビズネス層で決めた要件定義をどのように開発して行くのか決めます。
開発設計の作成、タスクの振り分け、スケジュールの作成などを行います。
また開発層のモチベーション管理などを行うのもこのマネジメント層です。
開発層
開発設計書を元に振り分けられたタスクをスケジュールに合わせて開発を行っていきます。
開発に関わるポジション
こちらの開発全体像に説明を分かりやすくするためにポジションを追加します。
プロダクトオーナー
プロダクトの所有者で、主に発注者や自社サービスなら会社の代表がプロダクトオーナーになります。
最終決定や予算の決定を行う人です。
プロダクトマネジャー
プロダクトの詳細や方向性を決めるポジションです。小さな規模の開発チームでは、プロダクトオーナーと兼務していることが多いです。マーケティングやセールス、カスタマーサービスと連携をして、プロダクトの具体的な機能やサポート体制を作っていきます。
開発責任者
プロダクトの開発全体を管理するポジションです。
技術選定や開発仕様書の作成などを行います。
プロジェクトマネージャー
開発のタスクやスケジュール管理、開発者のマネジメントを行います。
小さい規模の開発チームでは、開発責任者と兼務していることも多いです。
リードエンジニア
開発実務のリーダーです。プログラミングコードの安定性やセキュリティ、品質などの責任を持ちます。
自らもプログラミングコードを書きながら、レビューも行います。
デザイナー
プロダクトのデザインを行います。
エンジニア
プログラミングの実装を行います。
テスター
出来上がったプロダクトが仕様書通りに動作するか確認します。
小さな規模の開発チームでは、エンジニアが兼務することも多いです。
このようなポジションで規模に応じて、3人から10人ほどの開発チームを作成することが一般的です。
オフショア開発の種類について
ラボ型や発注型などオフショア開発の種類や特徴について記事内で説明をしていません。
オフショア開発の種類や特徴について詳しく書いてあるこちらの記事を参考にしてください。
状況ごとのスタートアップの課題とオフショア開発の活用方法
- プロダクトが無い・エンジニアがいない
- プロダクトが無い・開発責任者がいる
- プロダクトをリリースして、ユーザー・売り上げが伸びている
- プロダクトが順調で関連領域のプロダクトを開発する
にわけて説明していきます。
プロダクトが無い・エンジニアがいないスタートアップ
課題
エンジニアがいないので、プロダクトの制作ができない
プロダクトオーナーがエンジニアでは無い場合、費用感やスケジュール感覚が乏しい
目標
プロダクトをリリースする
オフショア開発で行う開発範囲
このタイプのスタートアップは、エンジニアを雇用するか、開発を発注する必要があります。
エンジニアを雇用するプロダクトオーナーがエンジニアでない場合は、エンジニアを雇用することは費用が高く、また技術レベルの判断が難しい場合も少なくありません。
また一時的に格安で手伝ってもらうエンジニアを探すこともできますが、スケジュールも立てづらいでしょう。
発注者であるプロダクトオーナー以外はオフショア開発で行うことで全ての費用を抑えることができます。
プロダクトを作るには一般的なウェブサービスであれば、国内で600-1000万円程度の開発費用を、オフショア開発で200-400万円程度に抑えることができます。
スタートアップでは、状況の変化が激しいため、プロダクトに関する見通しやスケジュールを密に相談できる形が望ましいです。
オフショア開発のタイプは、日本企業向けの発注型オフショア開発で密なコミュニケーションが取れると良いでしょう。
オススメのオフショア開発のタイプ
日本企業向けオフショア開発の発注型
プロダクトが無い・開発責任者がいる
課題
エンジニアが足りないため、プロダクト開発が進まない
目標
プロダクトをリリースする
オフショア開発で行う開発範囲
すでにスタートアップに開発担当者がいて、開発者が足りないためプロダクトの開発が進まない状況です。
この場合、オフショア開発でタスク毎に発注することがオススメです。
タスク毎に発注するには、オフショア開発の部分を管理するプロジェクトマネージャーのサポートとリードエンジニア以下の開発層がオフショア開発で開発することになります。
必要な費用の目安として、国内のバックエンドPHP開発者フリーランス報酬70万円は同レベルのオフショア開発のエンジニアでは30万円程度となります。
また、プロダクトはリリースしたが、売り上げが不調でプロダクトの改善やピボットを行いたいスタートアップもこちらの方法がオススメです。
オススメのオフショア開発のタイプ
日本企業向けオフショア開発の発注型
プロダクトをリリースして、ユーザー・売り上げが伸びている
課題
プロダクトをグロースするため、開発チームの強化が必要
目標
柔軟な開発スケジュールと開発スピードの強化
オフショア開発で行う開発範囲
プロダクトの売り上げやユーザー数が伸びてきている場合、競合に負けないためには強い開発チームを作っていく必要があります。
この状況になれば、スケジュールや予算が立てやすくなっているスタートアップも増えてきます。
これまでプロダクトが無いもしくは弱い場合は、オフショア開発発注型で行ってきましたが、強い開発チームを作るにはより柔軟な開発チームを作る必要があります。
そこで開発層をプロダクト専用の開発チームにします。(緑の部分)
この専用の開発チームを作るにはオフショア開発ラボ型がオススメです。
ラボ型のタイプの中でも、まずはオンサイト型雇用型ラボ型オフショア開発がオススメです。
いきなり現地チームを作るのではなく、ブリッジエンジニアのサポートを受けながら、強いチームを作っていきます。
必要な費用の目安として、エンジニア一人当たり、国内のバックエンドPHP開発者フリーランス報酬70万円は同レベルのオフショア開発のエンジニアでは30万円程度となります。
オススメのオフショア開発のタイプ
オンサイト型雇用型ラボ型開発
プロダクトが順調で関連領域のプロダクトを開発する
課題
プロダクト同士の連携や数値計測
目標
複数のプロダクト開発の管理と柔軟な開発
オフショア開発で行う開発範囲
関連領域にプロダクト開発を行っていく場合、複数のプロジェクトの連携が必要になってきます。(API連携など)
開発チームの規模も大きくなってきていますので、専任のプロジェクトマネージャーが必要です。
ラボ型の開発チームに加え、これまでオンサイト型ラボ型開発で行ってきた開発体制を変更し、プロジェクトマネージャーをスタートアップ内で雇用します。
プロジェクトマネージャーを通して、複数のラボ型チームの管理運営を行います。
オススメのオフショア開発のタイプ
雇用型ラボ型開発
まとめ
スタートアップのオフショア開発では、状況に応じてオフショア開発のタイプを合わせていくと、費用を抑えながら柔軟なプロダクト開発を行っていく必要があります。
この記事で紹介したタイプのオフショア開発は、全て弊社サービスでも提供しています。お気軽にお問い合わせください。
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